アンティークバイヤーのみさきです。好きな言葉は「百聞は一見に如かず」
ロンドンからのプチ旅行
イギリスの魅力は、ロンドンだけにとどまりません。首都から電車で数時間以内の場所には、歴史、文化、自然が織りなす魅力的な街々が点在しています。週末を利用して、これらの街を訪れてみませんか?
今回ご紹介する6つの日帰り旅行先は、それぞれ異なる魅力を持っています。王室の歴史が息づくウィンザー、学問の街オックスフォード、海辺のリゾート地ブライトン、牡蠣で有名な小さな港町ウィスタブル、ローマ時代の遺跡が残るバース、そして活気あふれる港町ブリストル。これらの街は、ロンドンから1〜2時間程度で簡単にアクセスでき、日帰りで十分に楽しむことができます。
ウィンザーでは荘厳な城を見学し、オックスフォードでは歴史ある大学の雰囲気に浸り、ブライトンでは海辺の散歩を楽しみ、ウィスタブルでは新鮮な海の幸を味わい、バースではローマ浴場跡を訪れ、ブリストルではストリートアートを探索する。それぞれの街が持つ独特の雰囲気と魅力を、一日かけてじっくりと堪能することができるでしょう。
これらの街への旅は、イギリスの多様な顔を知る絶好の機会となります。ロンドンとは一味違う景色、歴史、文化に触れることで、イギリスへの理解と愛着がさらに深まることでしょう。さあ、週末の予定を空けて、新しい発見の旅に出かけましょう。ロンドンから始まるこれらの日帰り旅行が、あなたのイギリス滞在をより豊かなものにしてくれるはずです。
この投稿をInstagramで見る
ウィンザー
ロンドンから日帰り旅行で訪れるウィンザーは、王室の遺産と自然の美しさが融合した魅力的な町です。
中心となるのは、11世紀に築城された世界最古かつ最大の城、ウィンザー城です。40人もの君主が居住したこの城には、豪華なステート・アパートメントやゴシック建築の傑作であるセント・ジョージ礼拝堂など、見どころがたくさんあります。
城内では、天候が良ければ午前11時から衛兵交代式を見ることができます。また、世界最大の人形の家であるメアリー王妃の人形の家や、城で最も古いスペースの一つであるアンダークロフト・カフェも必見です。
ウィンザー城の周辺には、2,020ヘクタールの広大な王立公園、ウィンザー・グレート・パークが広がっています。
ここでは、ピクニック、ウォーキング、サイクリング、乗馬など、様々なアクティビティを楽しむことができます。特に、ウィンザー城と公園を結ぶ並木道「ロングウォーク」や、美しい庭園「サヴィル・ガーデン」、トーテムポールやミニ滝がある「ヴァージニア・ウォーター・レイク」はおすすめです。
ウィンザー近郊には、1440年創立の由緒ある名門校、イートン・カレッジもあります。
ウィンザーへのアクセスは、ロンドン・パディントン駅またはウォータールー駅から電車で約35~55分と便利です。ウィンザー城の見学には2時間半から3時間ほどかかるため、時間に余裕を持って計画を立てましょう。
ウィンザーは、歴史、文化、自然が調和した魅力的な町です。日帰り旅行でも十分に楽しめますが、時間に余裕があれば、ぜひ宿泊して、ゆっくりと街を散策してみてください。
この投稿をInstagramで見る
オックスフォード
オックスフォードは、ロンドンから約1時間の電車で行ける魅力的な日帰り旅行先です。世界的に有名なオックスフォード大学を中心に、豊かな歴史と文化が息づく街です。
オックスフォード大学は1096年に創立された英語圏最古の大学で、39の半独立カレッジと6つの常設私立ホールから構成されています。特に注目すべきカレッジには、ハリー・ポッターの撮影地として知られるクライスト・チャーチ、美しい敷地と鹿公園で有名なマグダレン・カレッジ、中世の回廊と庭園が魅力のニュー・カレッジがあります。
街の中心にあるボドリアン図書館は、1602年に設立されたヨーロッパ最古の図書館の一つで、1,300万点以上の印刷物を所蔵しています。15世紀に遡るハンフリー公爵図書館や、象徴的な円形建築のラドクリフ・カメラは必見です。ガイドツアーに参加すれば、図書館の歴史やコレクションについて詳しく知ることができます。
オックスフォードには素晴らしい博物館もあります。1683年に設立された英国初の公立博物館であるアシュモレアン博物館は、エジプトのミイラから現代アートまで幅広いコレクションを無料で展示しています。また、ピット・リバーズ博物館では、ユニークな展示方法で考古学・人類学コレクションを楽しむことができます。
オックスフォード滞在の醍醐味の一つが、チャーウェル川でのパウンティング(パントと呼ばれる平底舟を楽しむこと)です。チャーウェル・ボートハウスやマグダレン・ブリッジ・ボートハウスでパントを借りることができます。川沿いをゆったりと進むのに2~3時間ほどかかり、ヴィクトリア・アームズ・パブやユニバーシティ・パークを通るルートが人気です。
その他のおすすめとしては、ウォーキングツアーに参加して街の概要や歴史を学んだり、カバード・マーケットで地元の食材やユニークなショップを探索したり、聖母マリア教会の塔から街の全景を眺めたりすることです。
オックスフォードは、歴史、学問、美しい自然が見事に融合した魅力的な街です。世界的に有名な大学、見事な建築物、文化的アトラクションを1日かけてじっくり楽しむことができる、ロンドンからの理想的な日帰り旅行先と言えるでしょう。
この投稿をInstagramで見る
ブライトン
ブライトンは、ロンドンから電車で約1時間の距離にある魅力的な海岸都市で、理想的な日帰り旅行先です。ロンドン・ヴィクトリア駅またはロンドン・ブリッジ駅から1日約350本の電車が運行されており、事前予約すれば9.30ポンドから乗車できます。
ブライトンの象徴的な観光スポットの一つがブライトン・ピアです。海に向かって525メートル伸びるこのビクトリア様式の桟橋には、乗り物やアーケードゲーム、屋台があり、海岸線と街の素晴らしい眺めを楽しむことができます。入場は無料ですが、アトラクションは別料金となります。
19世紀初頭にジョージ4世のために建てられたロイヤル・パビリオンも見逃せません。インド・サラセン様式の外観と中国風のインテリアが特徴的で、豪華な大居室を見学できるガイドツアーも用意されています。美しい庭園はピクニックにも最適です。
ザ・レーンズは、狭い路地や曲がりくねった通路が続く歴史的な地区で、個性的な商店やブティック、アンティークショップが軒を連ねています。ユニークなギフトやジュエリー、ヴィンテージアイテムを探すのに最適な場所です。
ブライトン・ビーチは、海沿いに広がる有名な小石のビーチで、夏は多くの人で賑わいます。カラフルなビーチハットが並ぶ光景は象徴的で、海の見えるバーやカフェもあります。
ブリティッシュ・エアウェイズのi360は、高さ162メートルの展望タワーで、パノラマビューを楽しめます。ガラスの展望ポッドは138メートルまで上昇し、スカイバーでは景色を楽しみながらドリンクを楽しむこともできます。
ブライトンは、ボヘミアンでアーティスティック、そしてLGBTQ+フレンドリーな雰囲気で知られています。特にノースレイン地区では活気あるストリートアートシーンが楽しめます。また、年間を通して数多くのフェスティバルが開催され、個人経営のレストランやカフェも多く、フードシーンが充実しています。
旅行の計画を立てる際は、1日往復列車のチケットの購入を検討するとよいでしょう。見どころが多いので、早めに到着して1日を有効に使うことをおすすめします。ほとんどのアトラクションは駅から徒歩圏内にあります。
時間に余裕があれば、近くのサウス・ダウンズ国立公園で美しい田園風景を楽しむこともできます。
ブライトンは、海辺の魅力、文化的なアトラクション、活気ある雰囲気が見事に融合した都市です。電車で簡単にアクセスでき、様々なアクティビティが楽しめるため、このユニークな海岸沿いの都市で、探索とリラクゼーションを1日中楽しむことができます。ロンドンからの日帰り旅行先として、ブライトンは理想的な選択肢と言えるでしょう。
この投稿をInstagramで見る
ウィスタブル
ウィスタブルは、ロンドンから電車で約1時間20分の場所にある魅力的な海辺の町で、日帰り旅行に最適な目的地です。サウスイースタン鉄道が頻繁に運行しており、ロンドン・ヴィクトリア駅やセント・パンクラス駅から簡単にアクセスできます。
この町の中心的な魅力の一つは、1831年に建設された歴史あるウィスタブル港です。世界初の旅客鉄道であるカンタベリー・アンド・ウィットステーブル鉄道(通称カニ・ウィンクル線)を支えるために作られた港は、今では活気あふれる魚市場やオープンエアのハーバー・マーケットがあり、地元の工芸品や雑貨を見つけることができます。
ウィスタブル・ビーチは、小石のビーチとカラフルなビーチハットで有名です。穏やかな海は海水浴やウィンドサーフィン、セーリングなどのウォータースポーツに最適です。特に、タンカートン・ビーチは夏季にはライフガードが常駐し、干潮時には「ザ・ストリート」と呼ばれる独特な礫岩の砂嘴が現れる珍しい地形が見られます。
町の中心部には、レインズとハーバー・ストリートと呼ばれる地区があり、個性的な商店やアンティークショップ、ブティックが軒を連ねています。特にハーバー・ストリートは活気に満ち、歴史的建造物の中にモダンなカフェやレストラン、ショップが共存する興味深い景観を見せています。
1789年に建てられたウィスタブル城は、現在はコミュニティの中心地となっています。周辺のタンカートン・スロープからは美しい海岸線の眺めが楽しめ、希少植物の生息地としても知られています。
ウィスタブル博物館とギャラリーでは、町の海洋遺産や牡蠣産業の歴史、有名な住人である俳優ピーター・クッシングに関する展示を見ることができます。
ウィスタブルと言えば牡蠣が有名で、毎年7月に開催されるオイスター・フェスティバルは町の大きなイベントです。ロイヤル・ネイティブ・オイスター・ストアやウィーラーズ・オイスター・バーでは、新鮮な牡蠣や海産物料理を味わえます。
アクティビティも豊富で、港からは様々なボートツアーが催行されています。ケンティッシュ・フラッツ洋上風力発電所や第二次世界大戦時の海上要塞の見学、テムズ河口でのアザラシウォッチングなどが人気です。
ウォータースポーツも盛んで、カヤックやパドルボードのレンタル、セーリングやパワーボートのコースが用意されています。また、ビーチはカイトサーフィンの愛好家にも人気があります。
サイクリング愛好家には、ヘーン・ベイへの海沿いのルートがおすすめです。約45分の風光明媚なコースで、洋上風力発電所の眺めも楽しめます。
食事の面でも魅力的な選択肢が豊富です。ウィーラーズ・オイスター・バーは斬新なシーフード料理で知られる歴史あるスポットです。ミシュランの星を獲得したパブ「スポーツマン」では、地元の食材を使った洗練された料理が楽しめます。ビーチサイドのパブ「ザ・オールド・ネプチューン」はボリュームたっぷりの料理とリラックスした雰囲気が魅力です。「サンピア」では地元の魚と季節の野菜を使ったビストロ料理が楽しめます。
ウィスタブルへの旅行を計画する際は、オフピークまたはスーパーオフピークの列車チケットを購入するとお得です。また、3~9名での団体割引も利用できます。訪問時期としては、7月のオイスター・フェスティバルの頃がおすすめですが、年間を通して魅力的な町です。
荷物の準備では、快適なウォーキングシューズと天候の変化に備えたジャケットを忘れずに持参しましょう。
ウィスタブルは、海辺の魅力、美食、文化的なアトラクションが見事に融合した、ロンドンからの理想的な日帰り旅行先です。新鮮な牡蠣を味わい、歴史ある港町を散策し、のんびりとビーチで過ごすなど、ウィスタブルは様々な楽しみ方ができる、思い出に残る旅先となるでしょう。
この投稿をInstagramで見る
バース
バースは、ロンドン・パディントン駅から電車で約1時間20分の場所にある魅力的な都市で、日帰り旅行に最適な目的地です。30分ごとに直通列車が運行されており、アクセスも便利です。
この街の最大の見どころは、世界最古のローマ浴場遺跡の一つである「ローマ浴場」です。西暦70年頃に建設されたこの遺跡には、聖なる泉、ローマ神殿、浴場、博物館などがあり、今でも毎日46℃の温泉水が湧き出ています。12ヶ国語のオーディオガイドが用意されており、2~3時間かけてじっくり見学することができます。
バース修道院は、8世紀に建てられた教会の跡地に1499年に建設された歴史ある建物です。扇形アーチ型の天井と大きなステンドグラスが特徴で、タワーツアーでは市街を一望することができます。
ジョージアン様式の代表的な建築物であるロイヤル・クレセントは、30戸のテラスハウスが三日月型に並ぶ壮観な景観を誇ります。No.1ロイヤル・クレセントは博物館として公開されており、ジョージ王朝時代のインテリア・デザインを間近に見ることができます。
プルトニー橋は、1774年に建造されたパラディオ様式の珍しい橋で、両側に店舗があります。エイヴォン川の美しい景色を楽しむことができる人気のスポットです。
サーカスは、ジョン・ウッド・ザ・エルダーが設計した円形のタウンハウスで、ストーンヘンジと同じ直径を持つことで知られています。建物の柱の上には、メーソンのシンボルが隠されています。
近代的なスパ施設であるテルマエ・バース・スパでは、天然温泉を利用したリラックスタイムを過ごせます。屋上プールからは街のパノラマビューを楽しむことができ、様々なスチームルームやサウナも備えています。
バースは、ジョージ王朝時代の建築で有名で、5,000以上の建物が歴史的建造物として登録されています。街全体が蜂蜜色のバース・ストーンで統一されており、その建築的重要性から1987年にユネスコ世界遺産に登録されました。
街の中心部はコンパクトで歩きやすく、ウォーキングツアーに参加して街の歴史や建築について学ぶのもおすすめです。ファッション・ミュージアムでは歴史的なファッションや現代のファッションについて学ぶことができ、パンプ・ルームやティールームでは伝統的なアフタヌーンティーを楽しむことができます。
バースは、2000年以上の歴史、素晴らしい建築、そしてリラクゼーションが見事に融合した都市です。保存状態の良いローマ遺跡、美しいジョージ王朝時代の建築物、そして近代的なスパ施設まで、1日で様々な時代の魅力を体験できる、ロンドンからの理想的な日帰り旅行先と言えるでしょう。
この投稿をInstagramで見る
ブリストル
ブリストルは、ロンドン・パディントン駅から電車で約1時間40分の場所にある魅力的な都市で、日帰り旅行に最適な目的地です。1日約50本の列車が運行されており、始発は04:23、終電は23:33です。チケットは事前予約で31.97ドルからと、比較的手頃な価格で利用できます。
ブリストルの象徴的な存在であるクリフトン吊り橋は、イザムバード・キングダム・ブルネルが設計したエイヴォン峡谷に架かる橋で、街と周辺の景観を一望できます。ビジターセンターでは橋の歴史や工学的な知識を学べ、橋を歩いて渡るのは無料です。
SSグレート・ブリテンは、1843年に就航した世界初の豪華客船で、現在は博物館として公開されています。船内は機関室から一等船室まで復元され、インタラクティブな展示で船の歴史を体験できます。
ブリストルは活気あるストリート・アート・シーンで有名で、特にバンクシーの出身地として知られています。ストークス・クロフト地区はストリート・アートの中心地で、ガイド付きツアーも人気です。
ブリストル博物館&美術館は、アート、自然、地元の歴史を紹介する無料の施設で、恐竜から現代アートまで幅広い展示があります。Mシェッドは、ブリストルの歴史を伝える近代的な博物館で、インタラクティブな展示が特徴です。
キャボット・タワーは、ブランドン・ヒル公園にある高さ32mのタワーで、市内を一望できます。ブリストル大聖堂は1140年に創建された歴史ある建物で、ユニークな建築様式が魅力です。
ハーバーサイドは、レストラン、バー、文化施設が集まる活気あるエリアで、ウィー・ザ・キュリアス科学センターやウォーターシェッド・メディア・センターがあります。ボートツアーも楽しめます。
ブリストルは環境に優しい取り組みで知られ、英国で初めて欧州グリーン・キャピタルに選ばれました。多くの独立系レストランや有名なセント・ニコラス・マーケットがあり、フードシーンも盛んです。
8月に開催されるブリストル・インターナショナル・バルーン・フィエスタは、ユニークな体験ができるイベントです。また、クリフトン地区には魅力的なジョージ王朝時代の建築やブティック・ショッピングがあります。
ブリストルは、歴史的な重要性、文化的な活気、現代的なアトラクションが見事に融合した都市です。豊かな海洋遺産、世界クラスのストリートアート、象徴的な工学の驚異など、コンパクトで歩きやすい街の中心部で多様なアクティビティを体験できます。ロンドンからの日帰り旅行先として、ブリストルは魅力的な選択肢と言えるでしょう。
この投稿をInstagramで見る
まとめ
ロンドンから電車で気軽にアクセスできる日帰り旅行先は、それぞれの個性と魅力で溢れています。
歴史あるウィンザー城と広大な自然公園で王室の雰囲気を味わうもよし、学術都市オックスフォードで知的好奇心を満たすもよし、海辺のリゾート地ブライトンで活気あふれる時間を過ごすもよし。
新鮮なシーフードが自慢のウィスタブルで舌鼓を打つのも、ローマ時代の遺跡が残るバースで歴史に思いを馳せるのも、創造性あふれる街ブリストルでアートに触れるのも、それぞれ違った魅力があります。
これらの街は、ロンドンからのアクセスも良く、日帰りでも十分に楽しめる場所ばかりです。忙しい日々から少し離れ、心身のリフレッシュをしたい時、新しい発見や刺激を求めたい時、ぜひこれらの街を訪れてみてください。
きっと、あなたの心に深く刻まれる、素敵な思い出となるでしょう。ロンドンからの日帰り旅行は、あなたの週末をより豊かに彩ってくれるはずです。