アンティークバイヤーのノリです。好きな言葉は「人はパンのみにて生くるものにあらず」。物質的な豊かさだけではなく、精神的な充足感も大切にしています。
みなさん、フリーマーケットは好きですか?私の考えでは、蚤の市に行く理由は2つあると思います。
- 何が見つかるか分からない楽しさ
- お得に買い物をするため。
古いガラクタの山をかき分けて、隠された宝物を見つけるのは楽しいものです。しかし、本当の醍醐味は値切り交渉にあるのです。
便利なフレーズをいくつか覚えておくと、ぼったくられる可能性も低くなります。多くの人は値切れることを知らないか、いつも値切りたいと思っているけど、なかなか勇気が出ないようです。
そこでアメリカ在住歴10年の著者が、フリーマーケットで困らなくなる英会話フレーズをご紹介します。
私が初めて値引き交渉した時は、自分の都合ばかりで頭がいっぱいだったので、顔が赤くなり手が震えました。でも相手の立場に立って考えてみると、業者も自分のものを処分したいと思っていることがわかり、ずっとやりやすくなりました。
まず品物にオファーを出す前に、交渉可能な範囲を想像することと、双方にとって有利な選択肢を多く持っておくことが大切です。例えば、消費税を免除してもらうとか、オプションを付けてもらうとかです。
もし値段交渉してくれるかわからない時
Are you willing to negotiate on the price?(値段の交渉は可能ですか?)
Would you be offended if I made you an offer?(もし私があなたにオファーを出したら、あなたは気分を害するでしょうか?)
と聞いてみて下さい。そうすれば、売り手の機嫌を損ねることなく、値切りが可能かどうかが分かります。
ビンテージ・ディーラーの大半は、自分たちが売っている製品を愛しています。彼らは知識が豊富で経験も豊富です。まず相手と信頼関係を築くことから始めるとよいでしょう。
交渉では質問が重要なツール
相手に質問して、できるだけ多くの情報を入手して下さい。ポイントは4つです。
- 表向きの提案や要求ではなく、相手が何を望んでいるのか、何を重視しているのか?何を懸念しているかなどの利害の情報を得る。
- 相手には価値がないけど自分にとっては価値があるものは何かを見極める。
- 相手にとって価値があるもので、自分にとっては、たいした負担にならないものを探す。
- 最後にお互いの利益を満たす創造的な提案をする。
値札がついていない時、売り手に値段を聞く方法
What’s your price for this?(これはいくらで売っていますか?)
What did you have in mind for this?(これはいくらで売っていますか?)
フレンドリーな態度でお願いすれば、交渉してくれないディーラーはほとんどいません。
値引きをする時に使われる決まり文句
Would you consider less? (もう少し安くなりませんか?)
Can you go any lower on this? (これ以上安くなりませんか?)
How about $30?(30ドルではいかがでしょうか?)
相手は交渉を有利に進めるために、初動段階では渋ってきます。売り手が25ドルと言ったら、こちらが15ドルと答え、その中間の20ドルで折り合えば交渉成立です。これは、ワルツのダンスのようなものです。
利害が相違するからこそ取引が成立する例
What do you want for this?(これはいくらで売れますか?)
$60(60ドルです)
It’s a little out of my price range. I’ll give you $40.
それはちょっと私の思ってる価格帯からは外れていますね。40ドルでお願いします。
60ドルの値段を40ドルにしてと伝えることによって、売り手もその金額に寄り添ってくれる可能性があります。
I’ll take $55.
55ドルにしましょう。
I can’t go above $45.
45ドル以上は無理です。
Let’s split the difference and make it $50.
それでは、間を取って、50ドルにしましょう。
OK.
前提があまりに食い違っている場合は、その前提を分解して、細かく条件を設定することによって、お互いの要望を満たせることができます。
売り手が高額な金額を提示してきた場合の返し方です。
I don’t want to pay top dollar.
(私は多くのお金を使いたくありません。)
Would you consider this amount?
(この金額で検討してもらえますか?)
完璧の状態ではないけれど、めずらしいお皿を見つけた時の値段交渉
蚤の市の商品は完璧な状態で売られていることはほとんどありません。通常、返品保証もありません。アンティークショップやフリーマーケットでひびや欠けがある陶器を見つけた場合は、値切りのポイントになります。
ダメージの有無は必ず丁寧に指摘しましょう。また、修復の有無はアンティークの価値に影響を与えるので、修復された跡があるかどうかについても確認するようにしましょう。
交渉の出発点は、商品に対する敬意やあなたの支払い能力について正直に伝えることです。例えば、
I really love this piece, but I can’t possibly spend more than $75.
この商品は本当に好きなんだけど、たぶん75ドル以上は出せないです。
客観的な基準を用いて交渉を進めるパターン
商品にへこみや欠けがあったとしても、売り手はすでにそれを価格に織り込んでいます。それをわかった上であなたは交渉をスタートさせます。
You’ve got $100 on this plate. It has a chip in it so would you take $75?
このお皿は100ドルですが、欠けているところがあるので75ドルにしてもらえませんか?
No, I don’t think I’ll do that today. It’s a good deal already!
いいえ、今日は値引きするつもりはありません。すでにお値打ち価格ですから。
あなた: 鑑定士のような目つきでお皿をもう一度チェックし、お皿を元に戻します。
一般的な戦略として、間合いを取り売り手の反応を見ることも大切です。すると店員が声をかけてきます。
How about $85?(85ドルでどうでしょう?)
Yeah, I’ll do that.(では、その値段でお願いします。)
双方が納得できる基準を見つけることで、15ドル出費の軽減を図ることができました。基本的に顧客の要求が合理的であれば、尊重してくれます。
しかし、良い取引条件を引き出すには、こちらから希望価格を提示をするのではなく、フリーマーケットの売り手に「精一杯の価格」を尋ねるのが賢明です。ディーラーは、自分が思っている値段よりも低く提示してくることがあるからです。
たとえば、商品に38ドルのマークが付いている場合、35ドルで買えたらなあと思ったとしましょう。しかし、ディーラーが30ドルと言ってくることもあるのです。価格を相手に聞くことによって、さらに5ドル安くなることもあるのです。
What is your best price on this?
精一杯の価格はいくらですか?
明確なルールはありませんが、1個なら10%、2個なら15%、3個以上なら20%の割引をお願いしてみるなど、いろいろ試してみてください。買いたい物が予算内の場合は、すぐに購入して下さい。戻ってきた時、すでに売れている可能性も十分にあるからです。
まとめ買いも交渉の有効手段
ディーラーが希望するほど割引してくれない場合は、合理的な提案をするのも1つです。同じベンダーから購入すればするほど、割引をしてくれる可能性が高くなります。多くのベンダーはまとめ買いをしてくれるお客さんには、より多く値引きをしてくれます。
私はある業者のブースに行った時、欲しい商品が2つあったのですが、どちらも値段が高いと思いました。それぞれの商品について値引きできるか尋ねましたが、答えはNOでした。私は2つをまとめ買いすることで交渉し、値引きしてもらうことに成功し、大きな掘り出し物を手に入れました。
しかし、10ドル以下の少額の品物を安くしろと言われても困るというのがディーラーの言い分です。その代わり、何点かまとめ買いをし、その分値引きしてもらうようにすればうまくいきます。
How much is it for one?(1ついくらですか?)
$5 each.(1つ5ドルです)
This stuff totals $20, would you take $15 for it all?
この商品は合計20ドルですが、全部で15ドルにしてくれませんか?
OK.
5ドルの節約できました。交渉成立です。希望価格の75%くらいを目安に交渉してみて下さい。経験を積んでくると、ほとんどの販売店は20%までなら値下げしてくれるなどわかってきます。
If I got this and that, what kind of discount could you give me?
あれとこれを買ったら、どのくらい値引きをしてもらえますか?
ヴィンテージのディーラーは、時間と労力をかけてフリーマーケットに出店しているので、その商品を気にいっている人に所有してもらいたいと考えています。5割や6割の値引きを提示すると冷やかし客やバーゲンハンターだと思われるので、相手の価値観や自尊心に配慮しながら商品への関心を示してください。
古着屋で使える便利な英語表現
Is that shirt a large?(そのシャツはLサイズですか?)
What brand is it? (このブランドは何ですか?)
Is it 100 percent cotton?(これは綿100%ですか?)
How much for the two? (2つでいくらですか?)
立ち去ることも選択肢の1つ
すべてのお店が、値引き要求に対してイエスと言うでしょうか?絶対にありません。時には、店員が便宜を図る権限がないため、断られることもあります。自分が優位に立てないと感じたら、立ち去りましょう。
I’m sorry. I’ll pass on this one.(ごめんなさい. 今回はパスします。)
Thanks for helping me. I’m sorry we couldn’t agree on a price.
(対応してくれてありがとう。値段の面で合意できず申し訳ありません。)
それで話を終わらせてはいけません。売り手が、じっくり考えた末に、申し出について考えを変えることもあるので、電話番号を残しておくのが効果的です。
I don’t have to buy it here today. But I really like to if you offer me a great deal, then I’d be more than willing to consider it.
(今日ここで買わなくてもいいんです。でも、もしお得な情報を提供してくれるなら検討ます。)
数日後、断られた店舗を訪れると、2回目には店長が値引き要求に対して「イエス」と言ってくれたのです。相手に選択権を完全に委ねてうまくいった例です。つまり、人によって対応が変わることがあるということです。
日本人は交渉が下手だと言われていますが、大阪の人は、アメリカでも対等に交渉している人が多いように思います。
“続けるため”の オンライン英語コーチ「スピークバディ パーソナルコーチング」