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アムステルダムのホテル選びはこれで完璧
アムステルダムは、運河が織りなす美しい景観、歴史的な建造物、そして活気あふれる文化が魅力的な都市です。街全体が独特の雰囲気を持つアムステルダムですが、地区ごとに異なる表情を見せてくれます。
どのエリアに滞在するかによって、旅の体験は大きく変わるでしょう。そこで今回は、アムステルダムで滞在するのに最適な8つのエリアを厳選し、それぞれの特徴をご紹介します。
アムステルダムの中心部である旧市街(Oude Centrum)は、歴史的な建造物や運河、賑やかな通りが密集する、まさにアムステルダムの心臓部と言える場所です。アンネ・フランクの家やダム広場など、主要な観光スポットへのアクセスが抜群で、初めてのアムステルダム旅行者には最適です。
ヨルダン地区(Jordaan)は、運河沿いの可愛らしい家々や個性的なブティック、カフェなどが立ち並ぶ、おしゃれで落ち着いた雰囲気のエリアです。かつては労働者階級の居住区でしたが、現在はアーティストや若い世代に人気のエリアとなっています。
デ・パイプ(De Pijp)は、「アムステルダムのラテン地区」とも呼ばれ、活気あふれる市場や多国籍料理のレストラン、バーなどが集まる、エネルギッシュなエリアです。特に、アルバート・カイプ・マーケットは、地元の人々や観光客で賑わう人気のスポットです。
オールド・ウェスト(Old West)は、19世紀の美しい建築物が残る、落ち着いた雰囲気の住宅街です。フォンデル公園に近いことから、自然を楽しみたい方にもおすすめです。
デ・プランテージ(De Plantage)は、アルティス動物園やホルトゥス植物園など、文化施設や緑豊かな公園が多い、静かで洗練されたエリアです。都会の喧騒を離れて、ゆっくりと過ごしたい方におすすめです。
ノールド地区(Amsterdam Noord)は、IJ湖を挟んで中心部の北側に位置する、近年開発が進んでいる注目のエリアです。かつての工業地帯がクリエイティブな文化の発信地へと変わりつつあり、NDSMワーフなどのユニークなスポットがあります。
ミュージアム・クォーター(Museum Quarter)は、国立美術館やゴッホ美術館など、世界的に有名な美術館が集まる、芸術と文化の中心地です。高級ブティックやレストランなども多く、洗練された滞在を楽しみたい方におすすめです。
アムステルダム・イースト(Amsterdam East)は、多文化が混ざり合う活気あるエリアです。地元の市場やエスニックレストランが多く、ローカルなアムステルダムを体験したい方におすすめです。
この記事では、これらの8つのエリアをさらに詳しく掘り下げ、それぞれの特徴、見どころ、おすすめの過ごし方などを紹介していきます。あなたの旅の目的にぴったりのエリアを見つけて、アムステルダムでの素晴らしい滞在を実現してください。
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旧市街(Oude Centrum)
旧市街(Oude Centrum)は観光の中心地で、短期間で観光名所を効率よく回りたい人に向いています。旧市街は文字通りアムステルダムの中心部に位置し、歴史、文化、エンターテイメントが凝縮された、まさに街の心臓部と言えるでしょう。
旧市街の一番の魅力はそのロケーションです。アムステルダム中央駅からも徒歩圏内で、市内の主要な観光スポットへのアクセスは抜群です。王宮、ダム広場、アンネ・フランクの家といった歴史的建造物はもちろん、運河クルーズの出発地点、美術館、劇場なども全て徒歩圏内にあります。
トラムやバスなどの公共交通機関も充実しており、市内のどのエリアへも容易にアクセスできます。スキポール空港からのアクセスも非常に便利で、電車でアムステルダム中央駅まで直通で行くことができます。到着後、徒歩やトラムで簡単に旧市街のホテルまで移動できるのは大きな利点です。
旧市街は、歴史的な魅力と現代的な活気が見事に融合した独特の雰囲気を醸し出しています。絵葉書のような美しい運河沿いには、17世紀の黄金時代を偲ばせる歴史的な建物が建ち並び、その間を縫うように狭い路地が続いています。
これらの路地を散策するのは、旧市街の楽しみ方の一つです。思わぬ場所に素敵なカフェやショップ、ギャラリーなどが隠れていることがあり、発見の喜びを与えてくれます。
旧市街には、活気あふれる市場やショッピング街もあります。ダム広場の近くにあるデ・バイエンコルフ(De Bijenkorf)は、高級デパートとして知られています。また、カルフェル通り(Kalverstraat)は、多くのお店が軒を連ねる人気のショッピングストリートです。
ここでは、お土産探しはもちろん、最新のファッションや雑貨なども見つけることができます。アルバート・カイプ市場(Albert Cuyp Market)は、活気に満ちた屋外マーケットで、新鮮な食材や花、雑貨など様々なものが売られています。地元の人々の生活に触れることができる場所としてもおすすめです。
食事に関しては、旧市街にはあらゆる種類のレストランが揃っています。伝統的なオランダ料理はもちろん、インドネシア料理、中華料理、イタリア料理など、世界各国の料理を楽しむことができます。
また、軽食やおやつに最適なストリートフードの屋台も多く、手軽に食事を済ませたい時にも便利です。特に、オランダ名物のハーリング(ニシン)の屋台や、フリッツ(フライドポテト)の屋台は、ぜひ試してみてください。
ナイトライフも旧市街の魅力の一つです。数多くのバーやクラブがあり、夜遅くまで賑わっています。特に、ライツェ広場(Leidseplein)やレンブラント広場(Rembrandtplein)周辺は、多くのエンターテイメント施設が集まっており、夜遊びを楽しむ人たちで賑わっています。
ただし、旧市街は観光客が多く集まるエリアであるため、特に夜間は混雑し、騒がしくなることもあります。静かに過ごしたいという方には、少し中心部から離れたホテルを選ぶことをおすすめします。
旧市街には、赤線地区(De Wallen)も含まれます。この地区は、アムステルダムの歴史と文化の一部ですが、性産業が集中しているため、訪れる目的によっては注意が必要です。家族連れや落ち着いた雰囲気を求める方は、この地区を避けた方が良いかもしれません。
ヨルダン地区
ヨルダン地区(Jordaan)は静かでおしゃれな雰囲気を楽しみたい人に最適です。
ヨルダン地区は、アムステルダムの中心部に位置し、運河地帯の西側に広がるエリアです。かつては労働者階級の居住区でしたが、近年は芸術家や若者が集まるようになり、おしゃれなブティック、個性的なギャラリー、居心地の良いカフェなどが立ち並ぶ、活気あふれる地区へと変貌を遂げました。
ヨルダン地区の最大の魅力は、そのロケーションの良さです。アムステルダム中央駅から徒歩圏内であり、アンネ・フランクの家、西教会、ダム広場など、主要な観光スポットにも徒歩でアクセスできます。
また、運河クルーズの出発地点も近くにあるため、水上からの街並みを楽しむのも簡単です。トラムやバスなどの公共交通機関も充実しており、市内の他の地区へのアクセスも非常に便利です。スキポール空港からのアクセスも良好で、電車でアムステルダム中央駅まで移動し、そこから徒歩またはトラムでヨルダン地区へ向かうことができます。
ヨルダン地区は、観光客で溢れかえっている中心部とは異なり、落ち着いた雰囲気の中でアムステルダムの地元らしさを体験できるのが特徴です。
狭い路地を散策すると、可愛らしいショップや隠れ家のようなカフェ、歴史を感じさせる建物など、様々な発見があります。特に、土曜日に開催される北市場(Noordermarkt)は、地元の人々で賑わう人気のマーケットで、新鮮な食材や花、アンティークなどが並びます。地元の人々の生活に触れることができる絶好の機会と言えるでしょう。
ヨルダン地区には、様々な飲食店があります。伝統的なオランダ料理を提供するレストランはもちろんのこと、世界各国の料理を楽しめるレストランも豊富です。
また、「ブラウンカフェ」と呼ばれる伝統的なオランダのパブも数多く点在しており、地元の人々と交流しながらビールを楽しむことができます。
これらのカフェやパブは、地元住民の社交場としての役割も果たしており、アムステルダムの文化に触れる良い機会となるでしょう。夜には、ライブミュージックを楽しめるバーなどもオープンし、ナイトライフも充実しています。
治安が良いことも、ヨルダン地区をおすすめする理由の一つです。夜間でも安心して散策できる環境です。しかし、貴重品の管理には十分注意し、人通りの少ない場所は避けるように心がけましょう。
ヨルダン地区は、徒歩での散策に最適なエリアです。狭い路地や運河沿いの道を歩いていると、まるで迷路の中にいるような感覚になりますが、それがまたヨルダンの魅力の一つでもあります。迷い込んだ先で素敵なカフェやショップを見つける、というのもヨルダンならではの楽しみ方です。
デ・パイプ地区は、多文化が混ざり合う活気のあるエリアで、アルバート・カイプ・マーケットなどの見どころがありますが、観光客向けのお店が多く、ヨルダン地区に比べるとやや騒がしいかもしれません。
ミュージアム広場周辺は、美術館や博物館が集まる文化的なエリアですが、ホテルなどの宿泊施設は高価な傾向があります。その点、ヨルダン地区は、中心部に位置しながらも比較的落ち着いた雰囲気で、様々な価格帯の宿泊施設があるため、初めてアムステルダムを訪れる旅行者にとってバランスの取れた選択肢と言えるでしょう。
デ・パイプ
デ・パイプ(De Pijp)は、アムステルダムの中心部から南に位置し、活気あふれる多文化地区として知られています。かつては労働者階級の居住区でしたが、近年は多くの若者やアーティスト、起業家が集まるようになり、独特のボヘミアンな雰囲気を醸し出しています。
デ・パイプの一番の魅力は、何と言ってもその多様性です。126を超える国籍の人々が暮らしていると言われており、街を歩いているだけでも様々な文化に触れることができます。通りには、世界各国のレストランや食料品店が軒を連ね、まるで世界旅行をしているような気分になります。
ロケーションも魅力的です。アムステルダム中央駅からはトラムや地下鉄で約15分とアクセスも良好です。また、国立博物館やゴッホ美術館などの主要な美術館へも徒歩圏内という立地も、観光客にとって大きなメリットと言えるでしょう。地下鉄52番線(北/南線)の開通により、市内中心部へのアクセスがさらに便利になりました。
デ・パイプの中心的存在と言えるのが、アルバート・カイプ・マーケットです。ヨーロッパ最大級の青空市場として知られ、毎日賑わいを見せています。新鮮な食材、花、衣料品、雑貨など、あらゆるものが揃い、地元の人々の活気を感じることができます。特に週末は多くの人で賑わい、活気に満ち溢れています。
食事の選択肢も非常に豊富です。地元オランダ料理はもちろんのこと、インドネシア料理、スリナム料理、中東料理、イタリア料理など、世界各国の料理を楽しむことができます。
手頃な価格のレストランやカフェが多く、食べ歩きを楽しむのもおすすめです。バーやカフェも充実しており、夜遅くまで賑わっています。特に、フランケンデール通り(Frans Halsstraat)やヘラルト・ダウ通り(Gerard Doustraat)周辺には、おしゃれなバーやパブが集まっています。
デ・パイプには、サルファティ公園という美しい公園もあります。都会の喧騒から離れてリラックスできる緑地として、地元の人々や観光客に親しまれています。天気の良い日には、ピクニックを楽しむのも良いでしょう。
宿泊施設については、高級ホテルから手頃な価格のホテル、アパートメントホテルなど、様々な選択肢があります。有名なホテルとしては、スタイリッシュなデザインで人気のSir Albertや、高級ホテルのOkura Hotel Amsterdamなどがあります。
デ・パイプは、再開発が進んでいるエリアでもあります。社会住宅と高級住宅地が混在しており、新旧の建物が入り混じった景観も特徴的です。そのため、建設工事が行われている場所もあります。
考慮すべき点としては、アルバート・カイプ・マーケット周辺は特に混雑することが挙げられます。また、中心部に比べると主要な観光スポットへのアクセスはやや遠くなります。しかし、公共交通機関が充実しているので、移動に不便を感じることは少ないでしょう。
オールド・ウェスト
オールド・ウェスト(Old West)は、その名の通りアムステルダムの中心部である旧市街の西側に位置し、フォンデル公園を南に、シンゲル運河を東に擁するエリアです。落ち着いた住宅街の雰囲気と、活気のある商業地区が混在する、バランスの取れた魅力的な地区と言えるでしょう。
オールド・ウェストの大きな魅力の一つは、その落ち着いた雰囲気です。アムステルダムの中心部の喧騒から離れ、ゆったりとした時間を過ごしたい方には最適な場所です。
地元住民が多く住んでいるため、観光客向けの店ばかりではなく、地元の人々が日常的に利用するスーパーマーケットやパン屋、肉屋などが点在しており、よりローカルな生活を垣間見ることができます。家族連れや若い社会人、学生などが多く住んでおり、穏やかな雰囲気を醸し出しています。
交通の便も良く、トラムやバスなどの公共交通機関が充実しています。アムステルダム中央駅からもトラムやバスで15〜20分程度でアクセスできます。市内中心部へのアクセスも容易でありながら、喧騒から離れて静かに過ごしたいという方には理想的な環境と言えるでしょう。
自転車レーンも整備されているため、サイクリングを楽しむのもおすすめです。アムステルダムらしい移動手段である自転車を利用して、市内各地を巡るのも良い経験となるでしょう。
オールド・ウェストの南端に位置するフォンデル公園は、アムステルダム最大の公園であり、市民の憩いの場となっています。広大な敷地内には、美しい庭園や池、遊歩道などが整備されており、散歩やジョギング、ピクニックなどを楽しむことができます。
天気の良い日には、地元の人々が日光浴をしたり、友人や家族と過ごしたりする姿が見られます。公園内にはカフェやレストランもあり、休憩するのに最適です。
デ・ハーレンは、かつて路面電車の車庫だった建物を改装して作られた文化複合施設です。中にはフードホール、映画館、ブティックショップなどが入っており、地元の人々や観光客で賑わっています。
フードホールでは、様々な国の料理を楽しむことができ、食事だけでなく、地元の雰囲気を味わうことができます。映画館では、最新の映画だけでなく、アート系の映画なども上映されています。
テン・カタマーケットは、地元の人々に人気の市場です。新鮮な農産物や花、衣料品、雑貨などが売られており、活気あふれる市場の雰囲気を楽しむことができます。特に週末は多くの人で賑わい、地元の活力を感じることができます。
食事に関しては、オールド・ウェストには様々な種類のレストランやカフェ、バーがあります。キンカーストラートとデ・クレークストラートは、主要なショッピングストリートであり、多くの店舗や飲食店が並んでいます。
特に、フードハーレンは、様々な国際色豊かな料理が楽しめる人気のスポットです。屋内マーケットなので、天候を気にすることなく食事を楽しむことができます。
宿泊施設は、ブティックホテルからアパートメントまで幅広い選択肢があります。市内中心部と比べると、比較的リーズナブルな価格で宿泊できることが多いのも魅力です。長期滞在を考えている方には、アパートメントタイプの宿泊施設がおすすめです。
オールド・ウェストは、国立博物館やゴッホ美術館などの文化施設にも比較的近い場所に位置しています。トラムを利用すれば、簡単にアクセスすることができます。
デ・プランテージ
デ・プランテージ(De Plantage)は、アムステルダム中心部の東に位置し、17世紀から18世紀にかけてアムステルダムの上流階級のための緑のオアシスとして造られました。その歴史的な背景からも分かるように、この地区は緑豊かな公園、洗練された建築物、そして数多くの文化施設が点在する、落ち着いた雰囲気の上質なエリアです。
デ・プランテージの大きな特徴は、都会の中心部に近いにもかかわらず、静かで落ち着いた環境が保たれていることです。喧騒を離れてゆっくりと過ごしたい方、文化的な体験を重視する方には特におすすめです。
並木道が美しい通りを散策すれば、19世紀のエレガントな建築物を目にすることができ、まるでタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。富裕層と学生が混在する地域であり、洗練された雰囲気の中に若々しい活気も感じられます。
デ・プランテージは、ユダヤ人の歴史とも深く関わっています。かつてはユダヤ人コミュニティの中心地の一つであり、現在もユダヤ文化地区の一部となっています。レンブラントの家博物館や国立ホロコースト博物館など、ユダヤ人の歴史を伝える重要な施設が点在しており、歴史に興味のある方にとっては見逃せないエリアです。
この地区には、見どころとなる観光スポットが数多くあります。その中でも特に有名なのが、アルティス王立動物園です。オランダ最古、世界でも5番目に古い動物園として知られ、多様な動物たちと触れ合うことができます。
隣接するホルトゥス・ボタニクスは、世界最古の植物園の一つであり、4,000種以上の植物が栽培されています。都会の中で自然を感じられる貴重な場所です。
また、ワーテルロー広場では、オランダ最古のストリートマーケットである蚤の市が開催されています。掘り出し物を探したり、地元の雰囲気を楽しんだりするのに最適な場所です。
デ・プランテージには、美しい緑地もいくつかあります。ヴェルトハイム公園は、運河地帯で最も古い公共公園であり、市民の憩いの場となっています。ホフトゥイン・ガーデンは、美しい庭園の中にディグニタ・カフェという人気のカフェがあり、優雅な時間を過ごすことができます。
文化施設も充実しており、ロイヤル・シアター・カレやオランダ国立オペラ&バレエ団など、一流のパフォーマンスを鑑賞できる場所があります。エルミタージュ・アムステルダムは、ロシアのエルミタージュ美術館の分館であり、貴重な美術品を鑑賞することができます。
食事に関しては、居心地の良いブラウン・カフェと呼ばれる伝統的なオランダのパブや、水辺のテラス席があるレストランなど、様々な選択肢があります。ホフトゥイン・ガーデンにある「ディグニタ」カフェは、特に人気があります。
アクセスについても、トラムを含む公共交通機関が発達しており、市内各地への移動は容易です。多くの観光スポットが徒歩圏内にあるのも魅力です。
ただし、デ・プランテージは高級住宅街であるため、宿泊費は他の地区に比べて割高になる傾向があります。また、比較的静かな雰囲気なので、活気のあるナイトライフを求める方にはあまり向いていないかもしれません。
ノールド地区
アムステルダム中央駅からIJ川を挟んで北側に位置するノールド地区(Amsterdam Noord)は、近年急速に開発が進み、かつての工業地帯からクリエイティブな文化の発信地へと変貌を遂げている注目のエリアです。中心部とは異なる独特の雰囲気と魅力があり、より個性的なアムステルダム体験を求める旅行者にとって、魅力的な選択肢となっています。
ノールド地区へのアクセスは、無料のフェリーが頻繁に運航しており、アムステルダム中央駅の裏手から出ています。所要時間は5〜15分程度と非常に短く、気軽にアクセスできるのが魅力です。また、近年開通した地下鉄52号線(北/南線)を利用すれば、Noord駅まで直接アクセスできるようになり、さらに便利になりました。
ノールド地区の特徴は、近代的な開発と再利用された工業スペースが融合した独特の景観です。かつての造船所や倉庫などが、現代的な建築物やアートスペース、レストランなどに生まれ変わり、新旧のコントラストが魅力的な景観を作り出しています。中心部に比べると観光地化されていないため、より落ち着いた雰囲気の中で、ローカルなアムステルダムを感じることができます。
ノールド地区で最も有名なスポットの一つが、NDSMワーフです。かつて巨大な造船所だった場所が、現在はストリートアート、イベント、文化スペースが集まるクリエイティブなホットスポットとして生まれ変わりました。
巨大なグラフィティアートが描かれた壁や、ユニークなオブジェなどが点在し、散策するだけでも楽しめます。定期的にイベントやフェスティバル、フリーマーケットなども開催され、地元の人々やアーティストが集まる活気のある場所となっています。特にIJ-Hallenで開催されるフリーマーケットは、ヨーロッパ最大級の規模を誇り、多くの人々で賑わいます。
A’DAM ルックアウトは、IJ川沿いにそびえ立つ高層ビルで、アムステルダムの街並みを360度見渡せる絶景スポットです。屋上にはブランコが設置されており、スリル満点の体験もできます。
EYE フィルムミュージアムは、現代的な建築が目を引く映画博物館です。映画の展示や上映が行われており、映画ファンにはたまらない場所です。ディス・イズ・オランダでは、オランダの風景を5Dフライトシミュレーターで体験できます。まるで空を飛んでいるかのような臨場感を味わえます。ストラートミュージアムは、倉庫を舞台にした大規模なストリートアートやグラフィティが展示されているユニークな美術館です。
ノールド地区には、レストラン、カフェ、バーなども数多くあり、多くはインダストリアル・シックな内装で、おしゃれな空間で食事やお酒を楽しむことができます。ノールデルパーク(Noorderpark)は、散歩道や湖のある広大な公園で、ピクニックをするのに最適な場所です。都会の喧騒を離れて、自然の中でリラックスした時間を過ごすことができます。
宿泊施設は、ブティックホテルからユニークな滞在先まで、幅広い選択肢があります。中でも、クレーンホテル・ファルダは、実際に使われていたクレーンを改装したホテルで、ユニークな宿泊体験ができます。一般的に、アムステルダム中心部よりも手頃な価格で宿泊できるのも魅力です。
考慮すべき点としては、アムステルダム中心部へはフェリーまたは地下鉄を利用する必要があるため、移動に時間がかかる場合があります。
また、一部の地域では現在も建設が進められており、開発途上にあるため、景観が変わりやすいこと、建設音などが気になる場合があることを考慮に入れておくと良いでしょう。主要な観光スポットに徒歩圏内で行きたいという初めての訪問者にとっては、少し不便に感じるかもしれません。
ミュージアム・クォーター
ミュージアム・クォーター(Museum Quarter)は、アムステルダムの中でも特に洗練された雰囲気を持ち、芸術と文化の中心地として知られるエリアです。運河環状線のすぐ外側に位置し、壮大な建築物、並木道、そして世界的に有名な美術館群が織りなす景観は、訪れる人々を魅了します。
ミュージアム・クォーターの最大の魅力は、その名の通り、世界的に有名な美術館が集まっていることです。国立博物館(Rijksmuseum)は、オランダの美術、工芸、歴史を網羅的に展示しており、レンブラントの「夜警」やフェルメールの「牛乳を注ぐ女」など、誰もが一度は目にしたことのある傑作を間近で見ることができます。
ゴッホ美術館(Van Gogh Museum)は、フィンセント・ファン・ゴッホの作品を世界で最も多く所蔵しており、「ひまわり」や「自画像」など、彼の生涯と作品を深く知ることができます。
ステデリック美術館(Stedelijk Museum)は、ピカソ、モンドリアン、ウォーホル、草間彌生など、近代美術と現代美術の巨匠たちの作品を幅広く展示しており、現代アートファンには見逃せないスポットです。
近年オープンしたモコ美術館(Moco Museum)は、バンクシーやアンディ・ウォーホルなど、現代アートのアイコン的作品を展示しており、より現代的でポップなアートを楽しめます。
これらの美術館に囲まれたミュージアム広場(Museumplein)は、広々とした芝生広場となっており、美術館巡りの合間に休憩したり、ピクニックを楽しんだり、時にはイベントが開催されたりと、市民の憩いの場となっています。広場の周辺にはカフェやレストランもあり、ゆっくりと時間を過ごすことができます。
音楽好きなら、コンセルトヘボウ(Concertgebouw)も見逃せません。その優れた音響効果で世界的に有名なコンサートホールであり、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の本拠地として知られています。世界一流の音楽家たちの演奏を、最高の環境で堪能することができます。
ミュージアム・クォーターは、高級住宅街としての側面も持っています。P.C.ホーフト通り(P.C. Hooftstraat)やコルネリス・スフート通り(Cornelis Schuytstraat)は、高級ブティックが立ち並ぶショッピングストリートとして知られ、シャネル、ルイ・ヴィトン、エルメスなど、世界的なブランドの店舗が軒を連ねています。ウィンドウショッピングを楽しむだけでも、優雅な気分に浸ることができます。
食事に関しても、高級レストランからカジュアルなカフェまで、幅広い選択肢があります。本格的なフランス料理を味わえる高級レストランから、地元の食材を使った料理を提供するレストラン、そして気軽に立ち寄れるカフェなど、様々なニーズに対応できます。
特に、南市場(Zuidermarkt)のような定期的に開催されるオーガニックマーケットでは、新鮮な農産物や地元の特産品を手に入れることができます。
ミュージアム・クォーターは、アムステルダム最大の公園であるフォンデル公園(Vondelpark)にも隣接しています。広大な敷地内には、美しい庭園や池、遊歩道などが整備されており、散歩やジョギング、サイクリングなどを楽しむことができます。都会の喧騒を忘れて、自然の中でリフレッシュするのに最適な場所です。
宿泊施設は、コンセルヴァトワール・ホテル(Conservatorium Hotel)やホテル・ヴァン・ゴッホ(Hotel Van Gogh)など、アムステルダム屈指の高級ホテルがいくつかあります。
これらのホテルは、洗練された内装と行き届いたサービスで、特別な滞在を演出してくれます。高級ホテル以外にも、ブティックホテルや中級ホテルなど、様々なタイプの宿泊施設があるので、予算や好みに合わせて選ぶことができます。
ミュージアム・クォーターは、高級エリアであることと、主要な観光スポットに近いことから、宿泊費は他の地区に比べて高めです。また、比較的静かな雰囲気なので、活気のあるナイトライフを求める方には向かないかもしれません。夜遅くまで賑やかな場所を探している場合は、デ・パイプ地区などがおすすめです。
アムステルダム・イースト
アムステルダム・イースト(Amsterdam East)は、市内中心部の東側に位置し、アムステル川に隣接するエリアです。多文化が混ざり合う活気ある雰囲気と、歴史的な建造物と近代的な開発が共存する街並みが特徴で、よりローカルなアムステルダムを体験したい旅行者にとって、魅力的な選択肢となっています。
アムステルダム・イーストは、180を超える国籍の人々が暮らす、非常に多様性に富んだ地域です。街を歩いていると、様々な言語が聞こえてきたり、多種多様なレストランやお店を目にしたりと、まさに「世界の縮図」のような雰囲気を味わえます。特に、トルコ料理やスリナム料理など、エスニック料理のレストランが多く、食を通じて異文化に触れることができます。
市内中心部へは、地下鉄やトラムなどの公共交通機関が充実しており、15〜20分程度でアクセスできます。自転車を利用すれば、さらに短時間で移動することも可能です。中心部へのアクセスが良いにもかかわらず、観光客でごった返すようなことが少ないため、落ち着いて街歩きを楽しめます。
アムステルダム・イーストには、見どころとなるスポットもいくつかあります。トロペン博物館(Tropenmuseum)は、世界の文化を紹介する民族学博物館で、様々な民族の文化や生活様式を学ぶことができます。
アルティス王立動物園(Artis Royal Zoo)は、ヨーロッパでも最も古い動物園の一つで、様々な動物たちと触れ合うことができます。オーステル公園(Oosterpark)は、アムステルダム市が最初に作った公園で、広々とした敷地内には池や遊歩道、遊具などがあり、市民の憩いの場となっています。
ダッパーマルクト(Dappermarkt)は、地元の人々に人気のストリートマーケットで、新鮮な食材や衣料品、雑貨など、様々な品物が売られています。地元の人々の生活に触れることができる絶好の機会です。
醸造所「t IJ」(Brouwerij ‘t IJ)は、風車の下にある元公衆浴場を利用した地元の醸造所で、地ビールを楽しむことができます。風車の景色を眺めながら、テラスでビールを飲むのは格別です。
食事やエンターテイメントの選択肢も豊富です。ヤヴァストラート(Javastraat)やボイケンプレイン(Beukenplein)周辺には、トレンディなカフェ、レストラン、バーなどが多く集まっており、地元の人々や若者で賑わっています。
様々な国の料理を楽しめるだけでなく、地元の食材を使った料理を提供するレストランも増えています。オーステルパルク(Oosterpark)では、定期的にイベントやフェスティバルが開催されており、地元の人々と交流する機会もあります。
宿泊施設は、アムステルダム中心部に比べると、一般的に手頃な価格で宿泊できます。ブティックホテルから低予算のホテル、ホステル、Airbnbなど、幅広い選択肢があるので、予算や旅行スタイルに合わせて選ぶことができます。
アムステルダム・イーストには、オーステルパルク、パーク・フランケンダール、フレヴォパークなど、複数の公園があり、緑豊かな環境も魅力の一つです。
これらの公園では、散歩やジョギング、ピクニックなど、様々なアウトドアアクティビティを楽しむことができます。特に、パーク・フランケンダールでは、オーガニックな日曜マーケットが開催され、地元の人々で賑わいます。
アムステルダム・イーストは、活気のあるストリートアートシーンでも知られています。街の至る所に、様々なアーティストによる壁画やグラフィティアートを見ることができます。また、様々な文化施設やギャラリーもあり、アートや文化に触れる機会も豊富です。
まとめ
アムステルダムは、その独特な文化、歴史的な建築、美しい運河に囲まれた魅力的な都市です。この記事では、アムステルダムでの滞在におすすめの8つのエリアを紹介し、それぞれの特徴を詳しく解説しました。
まず、旧市街(Oude Centrum)は、アムステルダムの中心地で、歴史的な観光名所が密集しています。活気ある雰囲気と豊富な飲食店、ショップがあり、観光客にとって便利な場所です。次に、ヨルダン地区(Jordaan)は、アートギャラリーや個性的なカフェが点在し、地元の人々の文化を感じられるエリアです。独特の雰囲気が漂い、散策するだけでも楽しめます。
デ・パイプ(De Pijp)は、多国籍な料理と賑やかなマーケットが魅力で、特に若者や外国人に人気があります。オールド・ウェスト(Old West)は、伝統的なアムステルダムの雰囲気を残しつつ、モダンなカフェやバーが増え、訪れる人に新しい体験を提供しています。
デ・プランテージ(De Plantage)は、緑豊かな公園や動物園があり、静かな環境でのんびりしたい方に最適な場所です。ノールド地区(Amsterdam Noord)は、運河を渡った先に位置し、アートやクリエイティブなシーンが盛んなエリアで、新しいトレンドを感じることができます。
ミュージアム・クォーター(Museum Quarter)は、アムステルダムの主要な美術館が集まる文化的なハブで、芸術好きにはたまらない場所です。そして、アムステルダム・イースト(Amsterdam East)は、歴史的な建物と現代的な施設が調和したエリアで、多様なレストランやカフェが立ち並び、地元の生活を体験することができます。
これらのエリアはそれぞれ異なる魅力を持ち、訪れる人々に多彩な体験を提供します。アムステルダムでの滞在をより充実させるためには、自分の興味やライフスタイルに合ったエリアを選ぶことが重要です。
歴史と現代が共存するこの街で、素晴らしい思い出を作ることができるでしょう。アムステルダムの魅力は尽きることがなく、どのエリアを選んでも新しい発見が待っています。
海外旅行は気をつけ過ぎるぐらいが丁度いい
アンティークバイヤーのみさきです。好きな言葉は「百聞は一見に如かず」