一片の陶磁器に宿る、歴史のロマン
こんにちは、マイセンのアンティーク食器を専門に扱うバイヤーをしています。古いものにしかない、優しい温もり、そして、それを生み出した人々や、大切に使ってきた人々の物語に触れる。そんな、時を超えた出会いが、私の仕事の喜びです。
マイセンに魅せられて
私がマイセンに魅了されたのは、大学時代に友人と訪れたドイツ旅行がきっかけです。
歴史ある街並みを巡る中で、偶然立ち寄ったのがマイセンでした。そこで目にした磁器の、息を呑むような繊細な美しさと、300年以上の歴史の重み。その圧倒的な存在感に、私は一瞬で心を奪われました。
まるで、時が止まったかのような工房で、職人たちが黙々と作業する姿にも感銘を受けました。あの旅行での運命的な出会いが、私の人生を大きく変えたのです。卒業後は迷うことなく、アンティーク食器の世界に飛び込みました。
私の足は、主にドイツ、フランス、イギリスに向かいます。小さな町のフリーマーケットから、由緒あるアンティークショップまで、私の探求に終わりはありません。
特に、マイセンの本拠地であり、私とマイセンを結びつけてくれた、あの思い出の地、ドイツのザクセン州は、私にとって特別な場所。いつか必ず、この地で運命の逸品と出会いたいと願っています。
出会いが繋ぐ、アンティークの世界
「一期一会」を座右の銘としている私は、どんな小さな出会いも大切にしています。地元の人々との会話から、思いがけない情報をいただくことも少なくありません。私にとって、バイヤーの仕事は単なる商売ではなく、人と人とのつながりを紡ぐ尊い機会なのです。
私の強みは、長年の経験で築き上げた、ヨーロッパ中のアンティークディーラーとの幅広いネットワークです。信頼できるディーラーたちとの強固な繋がりがあるからこそ、希少な逸品や、市場に出回ることの少ない貴重な作品を、確かなルートで仕入れることができるのです。
彼らとの情報交換は、私自身の知識を深め、審美眼を磨く上でも、非常に重要な役割を果たしています。このネットワークこそが、お客様に最高の品物をお届けできる、私の最大の武器なのです。
あなたもマイセンの虜になる
各アイテムの背後にある歴史や文化的背景を理解することが、私の仕事の醍醐味です。18世紀初頭のマイセン創業時の逸話から、天才造形師ケンドラーの功績まで、私の知識は尽きることがありません。
歴史を紐解くたびに、新たな発見があり、その度にマイセンへの愛情は深まるばかりです。あのドイツ旅行で感じた、胸の高鳴りを、私は今でも鮮明に覚えています。
私の目標は、マイセンの魅力を次世代に伝えることです。一つひとつの食器には、それを作り、使い、大切にしてきた人々の思いが込められています。その思いを受け継ぎ、未来につなげていくことが私の使命だと考えています。
私のような情熱あふれる人間がいる限り、マイセンの伝統はこれからも脈々と受け継がれていくでしょう。
私はこれからも、歴史とロマンに満ちたマイセンの物語を、世界中に発信し続けていきたいと思っています。
そして、いつかまた、あの思い出の地、マイセンを訪れたいと願っています。この旅が、どこまで続くのか、私自身も楽しみにしています。
アンティークバイヤーのみさきです。好きな言葉は「百聞は一見に如かず」